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2008-11-11

枚方市議会文教常任委員会「先進都市研修」(1日目)

文教常任委員会“先進都市研修”佐賀県鳥栖市にて
((株)日米クック鳥栖学校給食センターの正面玄関)

文教常任委員会“先進都市研修”佐賀県鳥栖市にて
((株)日米クック鳥栖学校給食センターの調理室前)

 今日は、私が所属している枚方市議会文教常任委員会の先進都市研修の一日目。佐賀県鳥栖市を訪問し「中学校給食」についての勉強をさせていただきました。
鳥栖市には、以前は中学校に給食はありませんでしたが、保護者からの要望が強かったことなどを受け、平成19年度から給食が導入されました。枚方市においては現在、中学校に給食はありませんが、今回、鳥栖市における中学校給食導入の経過と現状をお聞かせいただき、枚方市における中学校給食導入を検討するにあたり大変参考になりました。
以下に、鳥栖市における中学校給食の経過と現状についてご紹介いたします。
<佐賀県鳥栖市における中学校給食導入の経過と現状>
1.中学校給食導入について
(1)中学校給・食問題検討委員会の設置について

平成14年5月1日現在、全国85.8%の中学校において完全給食が実施され、平成15年5月1日現在、県内75.5%の市町村において完全給食が実施されていました。
鳥楢市においても、保護者からの要望も強かったことから、学校給食問題検討委員会を設置し民意を踏まえ、検討を始めることにしました。
平成15年8月に検討委員会設置要綱を制定(委員13名)し、必要な予算措置を行い、第1回給食問題検討委員会を平成16年2月に開催しております。
(2)中学校給食問題検討委員会での検討内容について
検討委員会の中で、本市学校給食の現状、「自校方式」や「センター方式」、「親子方式」などの給食提供方法のメリット・デメリットについて説明してきたほか、近隣自治体の中学校給食実施状況の報告、給食提供方法の違いによるイニシャルコストやランニングコストの試算等を行っております。
平成17年3月に当時の5・6年生の保護者及び中学1・2年生とその保護者3,750人を対象に、給食や弁当に対する考え方を知ることを目的に中学校給食に関するアンケート調査を実施しております。(回答率78.1%:2,927人)
平成15年9月に設置した給食問題検討委員会において7回にわたり検討・協議を重ね、同11月24日の第8回給食問題検討委員会において、本市における中学校給食の在り方等に関する答申を受けた。
答申では、中学校給食の提供方法について、アンケート調査結果の中で、小中学生保護者の約78%が給食を希望している一方で、中学生の約55%が家庭の弁当を希望されている。また、配膳作業のいらない弁当形式とすることで校時への影響を最小限に留めることができる。更に給食を選択制とすることで、事前申込段階において、給食費を徴収するための給食費の滞納が発生しない等の理由により、選択制弁当方式による中学校給食が適切であると示されています。
  答申内容について協議を行った結果、「選択制弁当方式」による給食とし、民間の調理場で調理される校外調理委託方式により中学校給食の実施をすることとし、平成19年度の早い時期から中学校給食を導入することを決定しております。
2.中学校給食の請負業者について
(1)請負業者の選定について

中学校給食の請負業者については、平成18年7月公募を行い、申込みがあった11社に対し、業務委託説明会を実施する中で、鳥楢市中学校給食調理等業務委託衛生管理基準等を説明しており、また、1日1,000食分に対応できる調理場の整備及び衛生管理基準を遵守することを条件にしております。
11社の内9社(入札時の2社を含む)が、設備投資及び衛生管理基準が遵守できない等の理由により辞退されたため、残る業者で入札を行っておりますが、業者との調整がうまくいかなかったことから、再入札を行い平成19年8月請負業者と1食あたり397円(税込み416円)、1,001食以上の調理単価1食あたり150円(税込み157円)、1日あたり1,000食を補償することで契約を行っております。
なお、学校給食法第6条に学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費等については、義務教育諸学校である設置者の負担となっているため市が負担しております。
(2)1,000食補償について
補償食数については、1日1,000食分に対応できる調理場の整備を条件にしている中で、1日1,000食以下の申込みが数ヶ月続いた場合、人件費・減価償却費の損失が大きいことから、負債を負うことになり、給食の提供が困難となることが考えられることから1日1,000食補償としております。
3.中学校給食の食材について
(1)地産地消について

中学校給食の食材に対する地産地消の取組みにつきましては、安全で安心な中学校給食を提供するためと、地元の農産物をできるだけ使用していただくよう県学校給食会にお願いしております。
青果物については、JAさがの農産物直売所及び鳥楢青果市場から地元の食材をできるだけ購入しており、米については100%鳥栖市産米を使用しております。
中学校給食については、献立の作成・食材の発注及び申込者数の把握等を行うため、専門の栄養士(嘱託職員)を配置しております。
(2)その他
 1.)給食の保温については、温かいものは温かく(65℃以上)、冷たいものは冷たいまま(10℃以下)供給しますので、保温・保冷性は確保できることになっております。
 2.)アレルギー対策については、事前に配布する献立表を通じ食材や調味料についてお知らせするため、本人・家族で判断していただくことになります。
4.給食導入後の経過について
(1)中学校給食調理等委託業者に対して、1日あたり1,000食を補償する中、3月分の申込み率が約27%・548名、4月分が約26%になっておりましたので、小学校6年生に対する試食会・説明会及び出前講座の実施等によりPR等を行っております。
(2)毎月、学校・委託業者・食材納入業者・教育委員会で構成する献立委員会を開催し、学校現場の意見を取り入れながらメニューを決定し、よりよい中学校給食となるよう味付けやメニューなどを工夫しながら取り組んでおります。
また、9月から「日刊給食だより」の取組みを始め、学校の昼休みに献立の紹介及び栄養バランス等のコメントを放送し、残菜の軽減や食育の推進を図っております。
なお、選択制弁当方式による中学校給食の啓発として、7月分及び12月分については、写真付きの献立表を各家庭に配布をしております。
(3)今後については、保護者に対する試食会・説明会の実施、また生徒を対象としたアンケート調査を行うなど、PR等に取り組みながら、安全安心でおいしい中学校給食となるよう努力していきたいと思っています。

文教常任委員会“先進都市研修”佐賀県鳥栖市にて((株)日米クック鳥栖学校給食センターの会議室)

文教常任委員会“先進都市研修”佐賀県鳥栖市にて((株)日米クック鳥栖学校給食センターの調理室前)

文教常任委員会“先進都市研修”佐賀県鳥栖市にて((株)日米クック鳥栖学校給食センターの調理室)

文教常任委員会“先進都市研修”佐賀県鳥栖市にて((株)日米クック鳥栖学校給食センターの調理室)

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